CB900Fレーサー号、リビルド完了。

ワタシのCB900Fレーサー号ですが、エンジン全バラメンテをして組上げ、走り始めて2時間でクランクケースのクラックが発生。

  

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バラシて見ると、なんとカムチェーンテンショナーもポッキリ。

 

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まぁ40年前の旧車をゼンカイバリバリでレーシングさせるとこーゆーこともあるよね、と言うことで。

 

クランクケースは中古を入手。手持ちのCB1100Fのケースとどちらを使おうかと思いました。どちらも一長一短があり。

 

CB900F(前期型リジッドケース) 

フレームはリジッド仕様なのでなにもせずに載せることが可能。ただしクランクケースアッパーのスリーブが入る穴を拡大しないと1100Fシリンダーは載らない。

・CB1100F 

クランクケースの加工は不要だが、ラバーマウント仕様なので、リジッドのフレームに載せるには、カラー類を用意する必要が有る。実は用意もしてあったんですが…。

この後のエンジンの使いまわしも考えて、今回は900Fのケースを使うことにしました。

アッパーケースのスリーブ穴拡大加工は自分では出来ないので、内燃機屋さんにオーダーしたんですが、かなり混んでいるとのことでずいぶん時間が掛かってしまいました。承知で頼んだので文句はないですし、面倒なオーダーにも応えてもらったので助かりました。

 

ケースが戻ってきてから、まずは色塗り。ベースの色がシルバーだったので黒へ。

ウレタン缶スプレーでテキトーにプシューッと塗りました。クランクケース位の温度ならば、ウレタン塗料で問題ありません。 

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ケースのクラック対策ですが、どうもここは当時からウィークポイントとして挙げられていたらしく、RS1000ではデブコン盛りしていたとのこと。

なのでワタクシも、同じように盛ってみました。 

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 もうちょっと綺麗に盛りたかったところですが…。盛ったのがすべて組んだ後だったので、削ったりの修正が出来ず。無念。組む前に盛るべきだった。

まぁ、半分気休めですけど、今回みたいなクラックなら、延命効果はあるかな、と思います。

 

使ったのはデブコンではなく、GM-8300というモノ。以前より愛用しています。

デブコンよりも強度がある…気がする。

 

 

 

次にテンショナーですが。

一部のその筋のマニヤには知られている、NZ製のリジッドタイプを導入しました。

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上がカムチェーンガイド、下がカムチェーンテンショナーA(の代わり)です。テンショナーBは純正をそのまま継続使用。

 

カムチェーンガイドの方は純正置き換えでそのまま使えます。

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ただ、寸法がかなりタイトなので、ヘッドの内側に鋳造バリが残っていると、それがガイドに当たって組めなくなります。バリを削ってやればOKです。

 

 

カムチェーンテンショナーの方は、そのままボルトオンとはいかず、少々手を加える必要が有ります。

まずはシリンダーの加工。シリンダー後方に、純正のテンショナーを固定するためのφ6.3位の穴が開いているんですが、ここにM8x1.25の貫通ねじ山を切る必要が有ります。元の穴に沿って少しずつ穴を拡大していけば、フリーハンドでもさほど難しくはないですけど、安易な気持ちでやると失敗するかもです。

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開けたねじ山に調整用のボルトを挿入し、シリンダー内に突き出したこのボルト先端をテンショナーに突き当てて固定する、と言う方法ですね。調整は上側のボルトで行い、下側のボルトは穴を塞いでいるだけです。

 

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いわゆるマニュアルテンショナーなので、チェーンの張り具合は整備する人次第。緩々でも締めすぎてもダメ。ちょっと難しいかも?張り過ぎよりは緩い方がまだマシだと思うので、緩めに調整して、エンジン始動後にカムチェーン音が気になったら、1/8位ずつ締め込んでいく、と言う方法が良いかと思います。

ちゃんと調整できればなかなか良いモノじゃないか?と思いました。

 

もう一点。カムチェーンBのガイドの足が、新しいカムチェーンテンショナーAに干渉するので、足の部分を曲げ加工する必要が有ります。加工にはしっかりとした万力が欲しいところですね。無いとちょっと大変かも?

 

加工前。干渉あり。

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曲げ加工します。左側が加工後。

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リアランスは1mmほど。動くところでもないので、当たらなければOK。

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その他には特にトラブルもなく、 オイルを入れてエンジン始動…のつもりでしたが、最後の最後にシフトスピンドルオイルシールからのオイル滲みを発見。泣く泣く、エキパイを外し、オイルを抜き(もちろん再利用した)、シフトアーム周りを外し、クラッチを外し、シフトスピンドルを抜いて、オイルシールを交換するという余計な仕事ができましたが…交換しとけばよかったよ。(シールは持っていた) 余計に1時間ほど掛かってしまった。地味にしんどい。

 

それでもなんとかエンジンは無事に始動。ああよかった。

エンジン始動の瞬間は、嬉しいというよりはホッとするという感じですね。

 

 

 

来週はシェイクダウンに行きたいんですけど、梅雨ですからねぇ。