ヘリサートフェスティバル

CB900Fレーサー号のエンジンですが、ヘリサートのコイルが到着したので、朝というか早朝というか夜中?から作業開始したんですよ。

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ヘリサートじゃなくて正確にはリコイルですけど。一般的な長さ1.5Dじゃなくて2Dにしたかったので、調達にちょっと時間がかかりました。


ネジ上がりしていたシリンダースタッドボルトを抜いて、ヘリサート加工します。
あ、ヘリサートというのは、ダメになったメネジを修正する工具だと思ってもらえれば良いです。写真にあるコイル状のもの、これが修正されたメネジになります。

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定番の修正方法で信頼性も有るんですが、それでもやらないに越したことはないですね。これでダメだったらホントに後がないし…。
  
シリンダーを組むときは、こんな特殊工具を使ってピストンを固定すると非常に楽ですね。一見カマボコ板に見えるかもしれませんが、選び抜かれた材質で出来ている逸品です。

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ピストンリングコンプレッサーも不要。爪でちょっとずつ押し込めばOKですよ。

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で、シリンダーヘッドを載せてナットを締めていくと…。
修正したトコと違うところがまたヌルリと(号泣)

ぎゃー、またか!!!!

今朝の作業開始の時点に戻る。泣く泣くやり直しです。
  
気を落ち着けて淡々とヘリサート加工をし、シリンダーを組み、シリンダーヘッドを載せます。
シリンダーヘッドを締めますが…。一応、他の部分にはトルクがかかることを確認してはいたんですが、前回は平気だったのが今回はダメだったりするので、不安が一杯いっぱい。
半ば祈りながらトルクレンチを回しますが、3度目の正直。今度はちゃんと組めました。いやはや、ホッとしました。
  
んが、これで終わるほど甘くはなかった。
  
シリンダーヘッドも組めたので、カムを載せてカムホルダーを締めていったんですが…こんどはカムホルダーのメネジがヌルリと逝きました。もう涙も出やしねぇ。
どうにもならないので、またシリンダーヘッドを外して、カムホルダーメネジをヘリサート加工です。
よーく観察してみると、一箇所だけでなく半分くらいは怪しい感じだったので、仕方なく全部のカムホルダーメネジにヘリサートを入れました。
当然、切子が出るのでバルブも外さないとダメです。全部のバルブを外し、20箇所近くのヘリサート加工をし、入念に洗浄してバルブを再組。修正の終わったシリンダーヘッドをエンジンに載せ、八百万の神々に祈りながら締めました。
なんとか今回も無事にトルクは掛かったので、カムを載せ、カムホルダーを締めて、やっとのことで作業完了…。

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いや~、今回はマジで疲れました。なんとか組めたから良かったけど…。こんな状況を見ると、やっぱり旧車なんだな、と思わざるを得ませんね(今更)
いや、気分はまだ現役戦闘機なんですけどね。
  
明日はバルタイ取って、できれば車載まで行きたいですね。