ご無沙汰のブログでこんなことを書くのは気が重いのですが、宜しければお付き合い下さい。
今回の安保法制。
反対派も賛成派も、積極的に戦争したいと思っている人は極僅かだと思います。そこでは共通している。
しかし、そこに至るプロセスが問題です。
賛成派が国を守るために集団的自衛権が必要だと考えること、それはその人の考えだから頭ごなしに否定はしません。
ただ、それを実現するための今回のやり方。これは絶対に認められません。憲法9条が集団的自衛権を認めていないのは明白です。もしそうじゃないというならば、そのための議論を深めていかなくてはならない。それなしで、政府の胸先三寸で解釈を変えるなどということは、立憲主義の破壊以外の何物でもでもありません。
正直に言うと、今回の安保法制ですぐに戦争になったり徴兵制になるようなことはないと思っています。ただ、自衛隊が派兵されて戦死者が出ることは有るでしょうね。その戦死者に生命保険が払われないかも?などということも実はあるのですが、そのことを言い出すと話が横道に逸れそうなので戻すとして。
この先、もっと独裁的な内閣が出てきたらどうしますか?
国民の意思など関係なく、暴走を始めたらどうしますか?
そうならないと言い切れますか?
そうしないためのシステムが、立憲主義なのです。歯止めなのです。
それを今回取っ払ってしまった。
何でもできるような全権を政府に委任してしまったのです。
この先どうなるのかが、本当に恐ろしいです。
国の基盤をなす憲法がそう簡単に変えられては困るのです。
参考までに、自民党の出している憲法草案でも、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする」とあるのです。(その割には安倍政権は当初、現憲法の96条を「総議員の過半数」に改訂しようとしていましたが)
国の一大事なのならば、正しくその振舞いをして欲しい。いや、しなくてはいけません。
なぜそれが出来ないのか。情けなくて涙も出ません。